呉善花「日韓併合を生きた15人の証言」を読んで

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はじめに

日韓の間には、越えがたい溝が横たわっている。依然、「近くて遠い国」のままである。昨年は、南北の歩み寄りなるか?米朝会談、徴用工、戦犯ステッカー貼り付け義務条例など、相変わらず、多くの事が話題に上った。

戦犯ステッカーというのは、日本の戦犯企業が生産した製品に『戦犯ステッカー』の貼付を義務づける条例案などが上程されたという事案である。この条例案については、日本でも大々的に報道され、ただでさえ険悪な日韓関係をさらに悪化させるという憂慮の声も強かった。

条例案は、いったん取り下げられたものの、再び審議される可能性は残っている。この条例案に関する日本での報道は極めて断片的であり、その背景や反応については深く触れられてはいない。

呉善花氏の「日韓併合を生きた15人の証言」

少し古い本だが、少し視点を変えた日韓併合時代の証言をもとに、両国を見直す本が発行されていたので、在宅時間の多い今の時期に、まじめに読んでみた。

マスコミや韓国からはマイナスのイメージばかりが強調され、それを鵜呑みにする日本人も多いようだが、この本は、その時代を朝鮮半島で暮らした日本人、そして韓国人の声を聞き、真実の姿を明らかにしようとしたものである。

本の冒頭部に、「写真で見る日韓歴史の真実」というセクションがあり、併合前と併合後の写真が掲載されている。前後の違いが一目瞭然である。

当然の事ながら、インタビューに応じた方は皆さん高齢者であるが、その当時の記憶は鮮明なようである。総じて、日本の皆さんは、その時代を懐かしく回想されており、日本人と朝鮮人との間も、それほどの諍いもなく良い関係であったことを語っている。

韓国人の想いと思考パターン

一方で、この日本人の紹介で呉善花氏が会いに行った韓国人も、個人的な付き合いにおいては、日本人と同様、良い友人として付き合っていたことを懐かしく記憶していることが分かる。しかし、国としてみた場合そうではなかったという、政治的な発言もされている。呉善花氏はこれが韓国人の思考パターンだという。

ただ、当時の東北アジアの政治情勢、例えば、ロシアが虎視眈々と狙っていたという事態を考慮すると、そんなものであろうと思う。正に日本は、自国の安全保障のためにも、そうした事態に対処するために、朝鮮半島がしっかりとした国であって欲しいという思いを持っていた。

それまでの朝鮮王朝は自分たちを小中華と称して、中国の属国(属国:韓国ドラマ「トンイ」や「イサン」などから、王が自分の後継者に自分の息子を選ぶにも中国の承認が必要だった)としての立場に甘んじ、中華の外にあるという理由で日本などを蔑んでいた。

そのため日本は巨額の投資を行い、道路や鉄道などのインフラを整備し、土地や税制などの社会制度を導入・確立した。また、ソウル大学の前身である京城大学を始めるなど教育の面でも貢献した。日本の農業技術、工業技術、衛生管理など、日本の持っているものを注ぎ込んだ。そのため、農業生産性が倍増、教育も随分改善し、衛生状態も良くなり、人口も倍増した。

台湾についても同じであったようだが、朝鮮半島の方が、北からの危機対策という意味合いがあったためであろうか、さらに多くのお金と人、時間を投資したようである。これは歴史の皮肉なのかも分からないが、台湾は、李登輝さんの話でも、個人的な体験からも親日的だが、朝鮮半島は真逆の印象を受ける。

日本併合がなければ、恐らく、朝鮮半島全体が北の勢力下に落ちていたと考えられる。彼らにとって、どちらが良かったかという事である。今のマスコミの論調もおかしい。

最後に

最後に、心に残った日本人の言葉を一つ。

『日帝支配36年の間、日本人は韓国人に対して残虐な行為をし続けてきた...そういう戦後韓国の教育や、戦後日教組による「すべて日本が悪かった」式の嘘を教える歴史教育が、日韓の間に大きな溝をつくってしまった。それらこそが、戦後に来るべき日韓親善の関係をぶちこわしてきた。 お人好しでイデオロギー攻撃に弱く、しかも時代の風潮に弱い日本人はどこかおかしい。主体性を持った正しい判断ができなくなっている。

戦後の人たちは、でたらめな教育を受けるだけで疑問をもたず、自分で勉強して真実を探ろうともしない。従軍慰安婦問題にしても、事実を知らない戦後の日本人が、勝手な想像で韓国に問題を提起した。韓国人の方から言ってきたものじゃない。また日本の政府は、アメリカにあれほどやられた体験がありながら、アメリカの理不尽な要求にまともな反発一つできず、今だにアメリカに頭が上がらない。私はこんな戦後が大嫌いだ」

 

 

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